「目利き」の限界
いっとき、「目利き」という言葉が流行りましたね。
金融機関に対しては、
担保に依存せず、経営者の資質や、製品・サービスの将来性を審査して融資しましょう、
みたいなことを言われてましたね。
ある会社なんですが、社長は真面目で温和。
財務内容は良くないのですが、借入金は遅れることなく真面目に返済してきました。
取扱商品・製品・サービスについても、独自性があって相応の需要も見込まれる。
誰もが「この会社なら大丈夫」と考え、金額は大きかったんですが、満額で融資をしました。
しかし結果は、見事に倒産。
「あの社長が、何で・・・・?」
というのが正直な感想でした。
倒産の直前に話をしたときには、全然倒産する素振りはなかったのに。
・・・お金のためなら人はどんな嘘でもつけます。
やはり、企業の外部の人間である金融機関の担当者が、その企業のことを理解するのには
限界があるんでしょうか・・・?
「目利き」というのは所詮、幻想なんでしょうか。
この仕事をしていると、時々人を信じられなくなります。
逆に、融資をするときに「この社長、本当に大丈夫かなぁ・・・?」と心配だった企業が、
その後、予想に反して順調に良くなったりするケースも、結構あります。