問題のないことが問題。
中小企業の経営者にインタビューするとき、
「御社の課題、もしくは、これから力をいれて取り組まれることを教えてください。」
という質問をすることがあります。
3社に1社くらいの割合で、
「問題は特に思い当たらないよ。今のままやってれば問題ないと思う。」
という答えが返ってきます。
やはり経営者は、なかなか自社の弱みや問題点については語ってくれないものです。
ましてや、相手が金融機関の審査担当者(僕)であれば、なおさら警戒されます。
ただ、なかには本当に問題に気付いていない経営者もいらっしゃいます。
これは、非常にまずい問題ですよね。。。
・・・たとえば過剰在庫。
「在庫=財産」であり、「在庫が多いのはいいこと」だと考えている経営者も存在します。
「ウチの倉庫には宝の山が眠ってます。」
といって、倉庫に積みあがっている在庫を自慢げに見せられたこともあります。
・・・社長、残念ながらこの「宝の山」は、一生目覚めることはないと思うよ。
と言ってあげたかったんですが、喧嘩になってしまうので抑えておきました。
在庫が多いってことは、それだけ売れ残りが多いってことなんですよね。
当然ながら、資金繰りも悪化します。
運転資金が足りなくなるので、借入依存度も高まります。
支払利息が増えるので、収支も悪化します。
大至急で仕入のムダを点検・改善しないと、破綻への道をどんどん突き進んでしまいます。
・・・そこまで説明して、ようやく社長も理解してくれます。
「問題に気付いていない」というのが、
「実は一番タチの悪い問題」だったりするのかもしれませんね。