銀行が会社を潰す?


先日お会いした社長さんから聞いた話です。


この社長が経営する会社は、数年前に事故*1になっています。


でもその後は、業績もかなり改善してきています。



社長に改めて、


「何で事故になっちゃったんですか?」


とお聞きしたところ、


「銀行にヤラれた。」


とおっしゃいます。さらに、


「『銀行にヤラれた』っていうのは、具体的にどういうことなんですか?」


とお聞きしたところ、


メインバンクが、突然、手形帳を発行してくれなくなったんですよ。」


と教えてくれました。



手形帳っていうのは、支払手形の綴りのことです。


金融機関から交付してもらいます。


金融機関も、誰にでも交付するというわけではなく、一定水準以上の企業でないと


交付しません。簡単に手形の不渡を出されたら大変ですから。


 
で、数年前、社長が手形帳の更新(古い手形帳を使い切ったため、


新しい手形帳を発行してもらう)に取引金融機関に行ったところ、


「今後、御社に対して手形帳は交付しません」


と突然通告されてしまったんですね。


これで、社長は手形を振り出せなくなってしまいました。




当然、仕入先には手形で支払うことはできず、現金払いになります。


仕入先は変に思いますよね。いきなり現金払いになるわけですから。


信用ガタ落ちです。仕入先からは商品の供給をしてもらえなくなります。


売るべき商品が無ければ、売上もジリ貧になってしまいます。


この結果、資金繰りが悪化し、事故(延滞)になってしまったんですね。



メインバンクが手形帳を発行しなくなったのには、


それなりに理由があったと思います。


だから、金融機関が一方的に悪いとはいえないんです。


でも、「いきなり手形帳更新拒否」っていうのは、スゴイですね。。。


銀行がもう少し、ちゃんと説明・対応してくれてれば、


おそらく事故にはならなかったと思います。


金融機関の力っていうのは、やっぱり強いんですねからぇ〜。

*1:借入金の返済が遅れてブラックリストに載ってしまうこと